貧血と抗凝固療法
貧血と抗凝固治療 (国際ガイドラインから)
C1: 専門委員会は、
以下のオスラー病患者は、鉄欠乏症と貧血の検査を受けることを推奨します.
●症状の有無にかかわらず、全ての成人
●繰り返す出血や貧血の症状のある全ての子ども
エビデンスの質:高い(98%が同意)、推薦の強さ:強い(96%が同意)
C2:専門委員会は、
鉄欠乏症と貧血の治療として、以下のような鉄の補充治療を推奨します.
●初回治療として経口の鉄剤
●経口の鉄剤が有効でない場合、吸収されない場合、耐性のない場合、または重症の貧血の場合に、静注の鉄の補充治療
エビデンスの質:中程度(88%が同意)、推薦の強さ:強い (100%が同意)
C3: 専門委員会は、
以下の状況で、赤血球輸血を推奨します.
●血行動態が不安定・ショック
●より高いヘモグロビン値を必要とする併存疾患がある
●手術前や妊娠中のように、急速にヘモグロビン値を上げる必要がある場合
●頻回の鉄剤の静脈投与にもかかわらず、適切なヘモグロビン値が維持できない場合
エビデンスの質:低い(92%が同意)、推薦の強さ:強い(96%が同意)
C4:専門委員会は、
鉄の補充療法に適切に反応しない場合、別の貧血の原因がないかの評価を考慮することを推奨します.
エビデンスの質:低い (100%が同意)、推薦の強さ:強い(100%が同意)
C5:専門委員会は、
オスラー病患者は、適応があれば(予防や治療目的の)抗凝固治療や抗血小板治療を、個々の出血のリスクを考慮して受けることを推奨します.オスラー病の出血は、これらの治療の絶対的な禁忌ではありません.
エビデンスの質:低い(98%が同意)、推薦の強さ:強い(98%が同意)
C6: 専門委員会は、
オスラー病の患者には、可能であれば、抗血小板薬の2剤投与や抗血小板療法と抗凝固療法の組み合わせ治療を避けることを推奨します.
エビデンスの質:低い(83%が同意)、推薦の強さ:弱い(92%が同意)
「国際HHTガイドライン第2版の臨床推奨事項と国際HHTガイドライン第1版の現在推奨されている臨床推奨事項について」Annals of Internal Medicine, 2020の和訳版から